2021年5月10日(月):
5月10日はとうりん幼稚園の創立記念日。今日は、この幼稚園のことを少し紹介したいと思います。
見慣れた幼稚園の正門と園舎に桜の木・・・
ですが、何かが違います。いったい何が違う?
幼稚園ができたのは、今から89年前の昭和7年。当時この辺りは畑地や竹林が多く、賀茂川の土手や上賀茂の山並みを望むことができる環境でした。初代園長の佐野ミキは、その頃の様子を「民家もまばらで、賀茂川堤を行く葵祭りの行列が園に居ながらに見ることができ、夜ともなれば窓から蛍が飛んで入る風情であった」と、語っています。
幼稚園建設前の風景画。現在の『きのこのおうち』
のある辺りの道路から北東を方向を見た景色です。
中央に上賀茂の本山や奥比叡の山並みまで見通す
ことができます。
昭和の初めごろから区画整理が行われ、幼稚園創立の前年には北大路通りに市電が開通し鳳徳小学校が開校するなど、急速に市街化が進みました。創設にあたっては、当時この地の町名が「桃ノ本町」であったこと、また中国の故事成語「桃李不言下自成蹊」にちなみ『桃林』の名が付けられたといわれています。
開園から3年がたった昭和10年春、幼稚園西側の路地
から堀川通り方面を撮った写真。この頃には周辺の
区画整理も完了し、住宅が建ちはじめ、現在の街並み
の姿がほぼ出来あがりました。園庭の向こうには、園の
町家がすでに建っているのがわかります。
戦後の新しい学校教育制度のもと、昭和26年には京都府下で最初の学校法人立の幼稚園として認可を受けるなど、昭和から平成、令和の約90年にわたって子どもや保護者、地域の人々とともに歩んできました。この間、園舎は何度か建て替えや増改築が行われ、創立当時の面影を残す景色はほとんど失われてしまいましたが、幼児教育に対するその志は現在でも日々の保育に受け継がれています。
昭和42年に今の正門が作られました。右端に今より
ずっと小さな桜の木の枝が見えます。今ある、もう
一本の大きな桜の木(この写真では左端の辺り)は
この時はまだなく、次の写真の頃に植えられました。
昭和55年、今のうめ・もも・あんず組のある北園舎が
建ちました。実は最初の写真もその頃に撮られたもの
です。この中には今でも園庭にある遊具があるよ!
とうりん幼稚園にかかわってこられた先人達の行いをかけがえのない財産とし、今も支えて続けてくださっている多くの方々に感謝しながら、新しい時代を担う子ども達の育成に、これからもみんなで手を取り合いながら歩んでいきたいと思っています。
今年の園庭。写真の鯉のぼりは、もう50年近く
子どもたちを見守り続けています。
【建】
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